長期間のお休みや、自宅で仕事など、活動量が少なくなってしまい、ついついお腹周りが鏡餅のようになってしまう。なんて人も少なくないですよね。
男性も女性も関係なく、お腹周りを引き締めるとかっこよく見えます。
また、健康のために行った運動で腰や首を悪くしてしまう人も実は多いのです。
「努力した結果、体を悪くしてしまった。」なんてならないように、今回は理学療法士の視点で、「安全に行える腹筋の鍛え方」について、お伝えしようと思っています。
では、行きましょう!
まずは、現状把握
みなさんは腹筋ってどうやって行っていますか?
いくつか挙げますので、該当項目がいくつあるか考えてみて下さい。
仰向けで頭を持ち上げる場合(プランク)
・頭の後ろで指を組む
・頭を持ち上げるため、手に力が入っている
・首に力が入っている(お腹を見るのに必死)
・膝は伸ばす
・素早さを重視する
・息を止める
仰向けで足を上げる場合(レッグレイズ)
・勢いをつけて足を上げる
・足を上げたとき腰が浮く
・足を下ろすとき腰が反る
この中で該当項目が1つでもある人は要注意です!!なぜ注意が必要なのか後で解説します。
筋トレの中ではオーソドックスな腹筋ですが、効果が見られるようになるのには1ヶ月以上継続していく必要があります。
ただ、体の他の部分に過度に負担をかけながら1ヶ月以上頑張った場合、痛みが生じる可能性があります。そうなると、モチベーションは下がってしまいますよね。
正しく効果を出すために少しだけ腹筋の構造について説明をします。
腹筋の構造
一般的に腹筋は大きく分けて3つ。
・腹直筋
・腹斜筋
・腹横筋
この3つで構成されています。みなさんがイメージしやすいのは腹直筋かと思います。
(シックスパックに分かれる筋肉です。)
鍛える時に意識してほしいのは、
<筋肉が付着している骨同士を近づける、引き離す>ことです。
例えば、腹直筋は <恥骨から肋骨や胸骨> にかけて付着しています。
ポイントは恥骨に付着している事です!
ちょっと特殊な筋肉で、下から上に向かって付着している筋肉です。
ですので、恥骨と肋骨(胸骨)を近づけるようにすると収縮し、離すと引き伸ばされます。
これを最大収縮と引き伸ばしを繰り返す事で、腹直筋が鍛える事が出来ます。
では、先程の内容をもう一度確認。
今度はなぜ悪いかを解説し、改善方法を伝えます。
仰向けで頭を持ち上げる場合(プランク)
・頭の後ろで指を組む
・頭を持ち上げるため、手に力が入っている
・首に力が入っている(お腹を見るのに必死)
解説:腕の力で頭を無理に持ち上げるため、首を悪くします。痛みが出る前にやめましょう。
改善方法:軽く頭に触れるぐらいで、腕の力に頼らず、腹筋の力で頭を持ち上げるようにしましょう。ちなみに、頭の後ろに手を持ってくる方法は、
<腹筋に対して、腕を遠くにする事で、頭と腕の重みを負荷とするため>です。
ですので、この方法がきつい人は無理に頭の後ろに手を持っていかなくても良いです。
腹筋に対してこの方法は<介助>ではなく、<負荷の増加>である事を覚えておきましょう。
・膝は伸ばす
解説:この方法は腰を悪くします。しかも、「腹筋を鍛えたい」と思う人は下腹が無くなってほしいと思っている人が多いですが、効果は薄いです。腹筋が割れる前に腰が悲鳴を上げます。
改善方法:膝を曲げましょう。膝を曲げる事で腰の負担は軽減できます。また、先程お伝えした腹直筋の構造では恥骨に付着していましたよね。膝を曲げる事で恥骨部分(骨盤の動き)が出やすくなり、下腹部への効果も出てきます。
・素早さを重視する
解説:若い人であれば問題ないですが、あまり回数や素早さを意識すると、体の他の部分にも余計な負担がかかります。痛みが出る前にやめましょう。
改善方法:1回1回しっかり腹筋の収縮を意識しながら行いましょう。1度限界まで行った回数をもとに日々の目標設定をすると良いと思います。大事なのは<収縮を感じる事>です。
・息を止める
解説:血圧が急上昇します。腹筋をするだけでも血圧が上がりますが、息を止めると更に血圧を上げます。(バルサルバ現象)
普段から高血圧の方や、血管が関係する病気になったことがある方は気をつけて下さい。
改善方法:呼吸を止めない。常に呼吸をしながら行う事で血圧の急上昇を抑えられます。
実は下腹部に有効なのは、
仰向けで足を上げる方法。(レッグレイズ)
ただ、これについても解説と改善方法をお伝えします。
・勢いをつけて足を上げる
解説:腹筋を使わないのであまり効果がありません。
改善方法:腹筋を使いながらゆっくり上げ、ゆっくり足を下ろしましょう。(下ろすときも腹筋に力が入っている事を意識して)
・足を上げたとき腰が浮く
解説:勢いで腹筋以外の筋肉がメインで働いています。腹筋を鍛えたいのであれば腰が浮かない程度にしましょう。
改善方法:常に腰が浮かないように、恥骨を肋骨に近づけるように力を入れておきましょう。腰の下あたりに手を置き、手のひらで床を押すようにすると腰が浮きにくくなります。(後ほどの動画でも行われていますので要チェック!)
・足を下ろすとき腰が反る
解説:腰を悪くします。むしろ腹筋が弱い人・背骨の構造的になってしまう人がいます。
改善方法:足を下ろす時にはしっかり腹筋に力を入れましょう。どうしても反ってしまう人は、足の下にクッションなどを入れて、腰が反らない程度に下ろせるようにしましょう。
腹直筋だけの解説でも長くなってしまったので、今度は私が筋トレの際に参考にさせていただいているyoutube動画をご紹介します。
どれも腰への負担、首周りへの負担をかけすぎずに行えるものばかりで、安全に、しかも今すぐに行えるものばかりです。良ければ一緒にやってみて下さい。
参考動画
【最強プランク】初心者オススメ!腹筋を鍛える体幹トレーニング「プランク」の正しいやり方
【超地獄の9分】世界一再生されてる腹筋動画が悶絶するほどきつい!!最後までできたらすごい!!!
最後に
今回は、腹筋の鍛え方についてお伝えしました。腹筋を鍛えて自信のある体作りに是非生かしてみて下さい。
それから、今回ご紹介させていただいた動画では他にも効果の高い筋トレ動画がたくさんあります。興味があれば是非そちらもご確認下さい。
コメント