現在コロナ禍で必要性が高まっている医療系職種ですが、AIやICT技術の発展でも代用しにくく、残りやすい職種ということで注目されています。
入学者に関しても昨年より増加傾向ですが、
はたしてその将来性はどうなのでしょうか?
また、医療系職種の中でも将来性がある職種とはどんな職種なのでしょうか?
今回はそんな医療系職種の将来性についてお伝えします。
医療系職種の将来性
医療系職種の将来性を考える際にキーワードとなるのが、「高齢化」「日本の人口の推移」「健康寿命」です。
現在の高齢化状況
令和元年の総務省から出ている「人口推移」を参考に考えます。
日本の総人口、1億2千万人のうち28.4%が高齢者となっています。
そしてこれまで同様、今後も高齢化が進むことがわかります。
色別で確認していくと、
青色が0~14歳、オレンジが15~64歳、グレーが65~74歳、黄色が75歳以上です。
現在の部分を赤枠で囲いましたが、これまでの経過を見てもらうとわかるように、オレンジと青が少ない傾向となり、グレー以上が増えています。
このグレー以上の部分が高齢化を表しています。
そして、内閣府は2065年までの予測をすでに出しています。これから40年後です。
日本の人口の推移
・日本の人口が、現在の1億2千万人→8千万人980万人へ
・15~64歳までの「生産人口」が減少し、高齢者割合が増加
(28.9%→38.4%へ)
・少子化が進行
大きくいうとこのようになります。
かなりヤバい事に気づいたでしょうか?少子高齢化は言葉だけで捉えてはダメなんです。
「生産人口=日本の経済を支える人が減少し、その次世代も少ない」という意味です。
そこを話し出すと論点がズレそうですので、またの機会に・・・。
ただ、高齢化はこれからも持続する事がわかってもらえたでしょうか?
高齢化=医療の必要性?
もちろん、高齢化に伴い病気やケガが増えるため医療の必要性は高まります。
ただ、皆さんお気づきでしょうか?医療費ってどこから出ていますか?
そうなんです。税金ですよね。
という事は、
高齢化が進む=医療が必要な人が増える=医療費となる税金が必要=働く人から税金を取る
となるわけです。
ここでわかるように、高齢化が進む=働く人の負担になるという事です。
データに基づく予想では、「働く人の負担」が今後も増加する事は、容易に想像できるのです。
そうした時に無難に残りやすい職種は、高齢化に伴い必要とされやすい「医療系職種」となるわけです。
医療から介護へ
先程は「医療系職種」が必要とされる事についてお伝えしましたが、正直「国の医療保険」で全てを賄っていくのは無理だという事は、20年以上前から考えられています。
そこで「介護」という事になるわけです。
介護分野でも医療の知識や技術が必要とされます。
ただ、介護分野に関してもすべての高齢者に十分に提供しようと思うと、このままでは「人手不足」や「介護費用」についても問題が大きくなる事が想定されています。
そのぐらい「介護分野」に関しては今後も「医療系職種」は必要とされるでしょう。
介護から予防へ
医療・介護ともにそれぞれ必要ですが、このままではどちらも人手不足は避けられないという事で、次に必要となるのは「予防分野」。
「病気やケガになりにくいように健康を意識すれば、人手不足解消・医療費削減・高齢者の生活の質向上になる。」というわけです。
また、健康を意識を国民に高めていく事について、最近では「介護予防事業」や「健康増進法」もよく聞くようになりました。
「ケガや病気をしない!なってしまっても早期発見!悪化しないようにする対策!」こういった「予防」や「健康志向」が今必要とされているため、こういった分野についても医療系職種が今後も活躍していく事が考えられます。
「医療系職種」将来性がある職種とは?
医療系職種と言っても専門分野はそれぞれですよね。先程までお伝えしたとおり必要とされますが、AIやICT技術の発展によって縮小される職種もあります。
それと、政治力も実は医療系職種でも大きく影響しています。そういった点から今後も必要とされやすい職種についてご紹介します。(雑誌・最近の傾向・ネット情報をもとに)
医師
5GやAIの発展に伴い、「診断」「手術」「処方」の精度が高まり、必要性は減少傾向になるかと思いますが、いつの時代も医師は必要です。特に日本人の死因や医療費のかかっている分野から考えると、「循環器内科」や「呼吸器内科」「腎臓内科」の需要は継続して高いと思います。「医者不足」部分をAIやICT技術でカバー出来るようになってくれることを期待しています。
看護師
医師に伴い看護師も必要です。「20年後の需要が増える職種」では多くの評価で1位を獲得しています。現時点でも看護師需要が高まり、看護師国家資格取得していれば今は働き方を選べる時代です。
取得までの負担・将来性・安定した仕事、どれを考慮しても、安定しやすい医療系職種1位ではないでしょうか?
理学療法士・作業療法士
いわゆる「リハビリ専門職」です。先程お伝えしたように「医療」「介護」「予防」どの分野においても最前線で活躍できる職種です。
また理学療法士は「運動」、作業療法士は「生活」に特化したリハビリ専門職ですので、今後も必要性は高いかと思います。
ただ昔に比べると、需要(必要性)に対して供給(リハビリ専門職の人口)が増えていますので、今後は職域の展開がされれば更に必要な職種になるかと思います。
現時点では、理学療法士よりも作業療法士の方が必要とされている傾向かと思います。(理学療法士の方が人数が多いため)
最後に
今回は医療系職種の将来性についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
ただ、今回参考にしたデータの多くが「コロナ禍になる前」のものが多かったため、「コロナだから」という考えは外して考えていただければと思っています。
ただ、コロナ禍になった事で医療系職種の需要がさらに高まっている事はみなさんもお気づきかと思います。
また今回、「日本の人口推移」についてもお伝えしたように、人口は減ります。特に生産人口が減ります。
医療系職種に限らず、AIやICT技術・5Gなどあらゆる技術面でそこをカバー出来るかが今後の課題になりそうです。
「AIによって仕事が奪われる」なんて事も言われますが、「AIやICT技術を扱う」のは「人」である事もお忘れなく。
「職種がなくなる=仕事がない」のではなく、「職種の体系が変わる」ため、どの職種も変化に対応できるかが必要です。
「今の小学生が成人になった時、65%が今存在しない職種に就く。」なんて出している雑誌もありますが、「実績」はこれまでの経験がなければ生まれませんので、今経験していることを大切に、変化に対応していく姿勢が求められるのではないかと思います。
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