寒い日に高齢者の事故が多くなりますが、高齢者の事故について
「家の中で起こる事故」と、「家の外で起こる事故」どちらが多いと思いますか?
正解は、「家の中で起こる事故」です!
消費者庁のデータでは「家の中で起こる事故」は「交通事故による死亡者」の2倍以上発生しているそうです。
年によっては4倍以上になった時もあるようですが、それだけ「家の中」で亡くなってしまう人がいるということです。
実際に病院に勤めていると、この時期に搬送される人も多く、この時期だからこそ気をつけてほしい。また、コロナの感染拡大の影響で一度入院するとなかなか会えなくなる事もあるため、事故を起こさないようにと思い、ブログを作成しました。
なぜ寒い日に高齢者の家庭内事故が多くなるのか?
今回は特に気をつけたい内容について、5つお伝えします。
寒い時期の家庭内事故5選
ヒートショック
ヒートショックについてご存知でしょうか?寒い時期、家の中は暖かくするものの、トイレやお風呂などは寒いままで急激な温度変化に伴って、血圧の急激な変動が起きる事で体調不良を起こす現象です。意識を失ってしまう事もあるため、寒い時期には特に注意が必要な現象です。
転倒
高齢者の転倒による事故は年中起こるのですが、特に寒い時期には体がこわばっていたり、靴下を履いている事ですべりやすい状況や、転倒しやすい状況になっている事が多いです。また新聞やチラシなども踏んだ時にすべてしまう原因になるため注意が必要です。
窒息
お餅を喉につまらせる人が増えます。特に年始ですが、1月中旬には鏡開きなどでお餅を食べる機会も増えますので、気をつけないといけません。
一酸化炭素中毒
ガス暖房器具やまきストーブなどを使用する際に、換気をせずに締め切った状態にしていると起きやすいです。現在では一酸化炭素検知器の設置も推奨されています。
火災
暖房器具を使用する際に、火災になりやすいです。またコンセントや電化製品の取り扱いについても、メンテナンスが不十分だと火災になる可能性があります。
高齢者事故の割合
折れ線グラフが交通事故を表しており、棒グラフの青色の部分が浴槽内の事故です。
交通事故の2倍以上浴槽内の事故が起きていることが分かると思います。
事故が起きやすい場所
こちらのデータからも分かるように、最も多い「家庭内事故死」は「溺死」。
ですので、お風呂場での事故が多いのです。
それだけお風呂場に対して注意が必要になります。
家庭内事故が起きやすい年齢
家庭内事故は80歳以上の方が50%以上を占めているようです。
高齢になればなるほど、リスクが高いのはわかりますが、特に80歳以上の方は注意しておく必要がありそうです。
対策
ヒートショック
急激な気温の変化を起こさないようにしていく事です。ですので、部屋が暖かい状態から体がなるべく冷えないように浴室暖房や事前に浴室を温めておくなどの対応をしておくと良いでしょう。シャワーをしばらく出しっぱなしにして浴室を温めるのも効果的です。
転倒
寒さ対策で靴下を履く事もあると思いますが、出来るだけ滑り止め付きの靴下にしましょう。
また家の中でのスリッパはおすすめ出来ません。出来るだけ、スリッパを履かないようにするか、室内履きの靴などを履くことをおすすめします。
窒息
お餅を喉に詰まらせてしまう事が考えられる時には、餅の代用を使う事もおすすめです。
一酸化炭素中毒・火災
火やガスについては、取り扱いに特に注意しないといけません。うっかりが起こる事も想定して、心配であれば別の暖房器具の選択をする事も考えてみて下さい。
最後に
高齢者の家庭内事故に関しては、私も発信する事で意識してもらえる人が増えればと思い、今回ブログにしました。
また、「助かる命を、助かるはずだった命」にしないために、少し親世代や、おじいちゃん・おばあちゃん世代の事を寒い時期は考えてみるのも良いかもしれません。
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